事業内容
(2)平成19年度調査研究
(平成19年度)奈良の食文化の実態調査 ~奈良漬・茶がゆの魅力度向上策の提言~
今回、奈良を代表する"奈良の奈良漬"と"奈良の茶がゆ"を調査対象にとりあげ、奈良の食のブランド再構築を提言した。奈良は日本の歴史や文化発祥の地であり、1300年前の奈良の都においては、各地から名産の献上があり、調理法は種々工夫され、加工食品、嗜好食品、乾燥食品等、食品の種類は多種多様、貴族的大陸的な食文化の花が開いていた。牛乳、清酒、お茶、素麺、豆腐などの食べ物は奈良初だと言われる。しかるに、現在の奈良には、美味しい料理が根付いていない。
今回の調査で"奈良漬"について消費者は、概ね「美味しい」「好きだ」との評価をしていることが判明した。しかしながら、"奈良漬"といわれながら、他の産地物や海外品までが"奈良漬"とうたって販売されており、"本場の奈良漬"の良さが十分に伝えられていない。また、アルコールの苦手な方にとっては、はじめから拒絶反応をされてしまうことも大きな課題である。
報告書においては、奈良漬の幅広いファンを創りだすために、商品開発提案や、奈良の奈良漬の品質表示方法の提案、奈良漬業者の組織強化などを含む"本場奈良の奈良漬"のブランド再構築提案をした。
一方、茶がゆは奈良古来の一般家庭食であったが、いつの間にか奈良県民の食卓からも姿を消してしまった。今回、奈良の名物料理の発見・開発にあたって、"茶がゆ料理"の復活を願い、奈良の伝統名物料理にするための取組みを提案した。
茶がゆについては、食体験のある人は好評価をするが、食体験のある人の割合が低く、食体験者を増やすことが最重要課題であるとして、試食の場づくり、PRの強化を提案した。「大和まほろば茶がゆの都」と銘打って、「健康に良く」「美味しい」「豪華な料理」として、大々的に売出そうとの計画づくりを提案している。
奈良に観光で来たら、「こんなに美味しい"本場奈良の奈良漬"と"茶がゆ料理"があるよ!楽しみだ」と思わせるように、これまでの奈良の食に対するイメージを一新させるべく、診断協会奈良支部は、本年度から始まった「地域資源活性化プログラムの活用」による、新しい取り組みとして、奈良漬と茶がゆを取り上げ、地域活性化が実現できるよう支援する体制づくりに取り掛かる。