一般社団法人奈良県中小企業診断士会主催の理論政策更新研修を、平成26年8月23日(土)に大和信用金庫八木支店ビル3階で開催しました。
今回の更新研修の内容は以下の三講義で、いずれも診断士として中小企業の経営改善支援に有用な内容で講義が展開されました。
いずれの講義とも(以下に講義の概要を記載)、中小企業診断士としてぜひ身につけておきたい知識・スキルを直接自分のものにできる実践的な講義で、出席者からは中小企業のサポートを実施する上で非常に有効な研修であったとの声があがりました。
受講者数は101名と100名を超え、これまで奈良県診断士会が開催した理論政策研修では最多の受講生となり、会場は熱気にあふれていました。
第一講 新しい中小企業施策について
【講師】 近畿経済産業局産業部中小企業課小規模企業係長 渡辺 朋子氏
第一講では、近畿経済産業局の中小企業課小規模企業係長の渡辺朋子氏より、主として「小規模企業振興基本法」と「小規模支援法一部改正法」の「小規模2法」についての詳細な説明および現在国が進めている小規模企業への支援策の解説が行われました。加えて、平成26年度の中小企業・小規模事業者関係の予算のポイントとして、
1.福島・被災地の復興加速
2.中小企業・小規模事業者の革新
・黒字企業倍増を目指す
・開業率10%台を目指す
・小規模事業者に焦点を当てた施策展開
・消費税引き上げに伴う監視・取締体制
・資金繰り・事業再生支援
について詳細に説明され、更にミラサポの活用推進についても推奨されました。
第二講 女性起業家の課題と求められる支援策について
【講師】 中小企業診断士(奈良県診断士会会員) 野村 陽子氏
第二講では、奈良県診断士会の野村会員から、女性起業家に対しての支援施策について、具体的な事例を交えて講演が行われました。野村会員は、女性起業家支援事業「Leapなら」を奈良県健康福祉部こども・女性支援課から委託を受けて実施に携わっている診断士で、その事業の中から見えてきた女性起業家の起業への動機や目的、課題等が報告されました。
特に起業の動機として、「社会に貢献したい」「自己実現を目指したい」などのやりがいが上位を占めており、女性起業家の高い志が浮き彫りとなりました。
第三講 中小企業の再生支援
【講師】 中小企業診断士(奈良県診断士会会員)橋本 勝也氏
第三講では、奈良県診断士会の橋本会員から、再生支援協議会における企業再生への取り組み経験を踏まえて、具体的な再生支援への取り組みと、実践的な「事業調査報告書」の作成手順やその内容が詳細に説明されました。中小企業診断士にとっては、調査報告書の内容について奥深い説明が展開され、調査に必要な資料の一覧、外部環境分析では業界業況の調査方法やデータの活かし方、内部環境分析ではBSCによるフレームワークを起点として、財務・組織と人事・業務プロセスが重要であるポイントなど、実際の調査書作成のノウハウを学ぶことのできる講義でした。